スコットランドの代表的な地区について


スコットランドは大きくいくつかの地区に分類されています。
しかしながら、ウイスキーラベルにはその特定の場所であるにもかかわらず、別の地区が書かれているものもあり少し混乱してしまうかもしれません。

ここでは初心者の皆様に大まかな分類とついてご説明します。

スコットランドは英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)の同君連合型の単一主権国家を形成しているカントリーの一つです。
1707年まではスコットランド王国として存在していたのですが、戦いに負け統合されました。その影響でBrexitを契機に英国から離脱する動きが活発化しています。
さて、スコットランドにおいて、おおまかに2分割して、下の位置(イングランド側)をローランド(低い場所)、逆をハイランド(高い場所)とまずは区別しています。

*スコットランドの地図*


厳密な境界線というのは難しいところなのですが、一般的にはクライド川のダンバートンから、北海沿岸のスイートヘイブンを結ぶ線で線引きすることができるます。文化的にハイランド地方は、現地のゲール語を話せる方や、ケルト文学や音楽などはアイルランドや北欧に文化的な共通項を見つけることができます。

その点ローランドはスコットランドのエンジンと呼ばれる主要都市「グラスゴー」や、文化・政治の中心で、その街並みは世界遺産にも登録されているエジンバラが位置していて、金融業や商業都市として栄えています。

ウイスキーの場合、蒸溜所が50以上密接するスぺイサイド地区はハイランドの中に位置しています。そのため、スペイサイドに位置しながらもハイランドウイスキーと名乗る蒸溜所は存在します。

例えば、グレンファークラス蒸溜所は「ハイランド・シングルモルト・スコッチウイスキー」とラベルに長年表記しています。

*グレンファークラス12年*


そのため、スぺイサイドのウイスキーでもハイランドを書かれたラベルを見て「あれ?このウイスキーはハイランド地区のウイスキーだっただろうか?」と思うかもしれませんが、それは昔の区分された時代から造り続けているという意思の表れとしてご理解ください。

それでは一般的なウイスキーにおける区分を確認していきましょう

① スぺイサイド (Speyside)
ハイランド地区の中でもウイスキー蒸留所が多く存在するエリアをスぺイサイド地区と呼びます。この地区にはスぺイ川が流れ、ウイスキーの味わいとしては、繊細で、エレガント。有名なマッカランやグレンリベット蒸溜所も位置し、ブレンデッド用の原酒としても大きな役割を果たし続けています。
所謂、モルトウイスキー生産の最大地区です。場所は「スぺイ川沿い」のエリアになるので、ハイランドとスぺイサイドの境界線は厳密にどこという表示はありません。

*スぺイ川とクレイゲラキの橋*


② ハイランド (Highland)
スコットランド北部、ハイランド(高い場所)はその名を示す通り広大な土地を指します。人口は少なく、山脈があるため、隠れてウイスキーが作られてきた歴史的背景があります。そのため、大きな分類としては、アラン島やキャンベルタウン、アイラ島もハイランドに含まれます。
しなしながら、作られる原酒の味わいは明らかに異なりますのでここでは、それぞれの地区が区分をされています。主な蒸溜所は、グレンモーレンジィ、クライヌリッシュなど

*ハイランド グレンコー*

③ ローランド (Lowland)
スコットランドの中部、低地域を指します。主要都市であるエジンバラ、グラスゴー、スターリング、ダンディーなどが存在し、商業・行政の中心です。ウイスキー蒸留所はかつて多くありましたが、かなりの減少傾向が続いていました。現在は、エジンバラやグラスゴー市内にもクラフト蒸溜所が設立され、クラフトブームの一翼を担っています。主な、蒸溜所はオーヘントッシャンやグレンキンチーなど

*グラスゴー大聖堂*


④ アイランズ (Islands)・・・マル島(Mull)、オークニー諸島(Orkney)、ジュラ島(Jura)、アラン島(Arran) など
「島内」の蒸留所で製造されるウイスキーの総称です。それぞれの味わいに特徴があるので一概にまとめることはできませんが、島々=アンランズとしてカテゴリー化されています。
スコットランド西岸に広がる島嶼部をインナーヘブリディーズ・アウターヘブリディーズと区分され、独立した地方自治管区を形成しているのも特徴的です。主な蒸溜所は、タリスカー、アラン、ハイランドパーク、トバモリーなど

*オークニー島の首都 ストロムネス*

⑤ アイラ (Islay)
アイラ島で作られるウイスキーをアイラモルトと総称します。現在11か所の蒸溜所がこの島に存在しているため「モルトウイスキーの聖地」とも呼ばれます。泥炭(ピート)から生まれる独特のフレーバーを持つため、この島のウイスキーを単体で呼ばれることが一般的です。主な蒸溜所は、ボウモア、ラフロイグ、アードベッグなど

*アイラ島の町 ボウモア*

⑥ キャンベルタウン (Campbelltown)
キャンベルタウンはキンタイア半島に位置する町の名前です。ここはハイランドとして定義づけることが一般的ですが、スプリングバンク蒸溜所という偉大な蒸溜所によって一つの地区として考えた方が良いでしょう。かつては30以上の蒸溜所が存在し、日本ウイスキーの父竹鶴政孝氏も修行した町です。現在は、スプリングバンク、スプリングバンクが再開したグレンガイル、そして品質が著しく向上しているグレンスコシアの3つの蒸溜所のみとなります。



皆様、スコッチウイスキーの区部はご理解頂けましたでしょうか?もちろんハイランド・スぺイサイドというカテゴリー―でも蒸溜所の味わいは異なります。その中からお好みのウイスキーが見つかれば幸いです。

記事著者

      
橋本崇宏
ザ・ウイスキー・スタジオ主宰。1981年生まれ。大学卒業後に、ウイスキー・スピリッツの専門商社へ入社。その後、スコットランドへ留学し、多くの蒸留所を訪問。帰国後は大手洋酒メーカーのウイスキーカテゴリーのマーケティング担当やソサエティ日本支部長を歴任。

タグ

関連記事

おすすめのスコッチ「ホワイトホース」

おすすめの5大ウイスキー①

ウイスキーの種類

ウイスキーの聖地とも呼ばれる「アイラ島」のウイスキー、アイラモルトとは

スコットランドの代表的な地区について